海外の医療情報の収集と英文診断書の重要性

旅行や出張などで海外に渡航す際には、その国における感染症の流行状況、医療情勢を前もって知っておく必要があります。インターネットで参考にしたいサイトとしては、厚生労働省検疫所(FORTH)が挙げられます。海外のエリア別での情報や滞在時の注意点、最新の医療情報、帰国後の体調不良時の対応の仕方などが網羅されていて重宝します。また、予防接種の実施可能な全国の医療機関を検索することもできます。

海外の医療情報を収集する

英語のできる方なら、米国疾病予防管理センター(CDC)の中にある「Traveler's Health」というコーナーで各国の医療情勢など渡航に必要な情報が掲載されています。CDCは世界的に最も信頼されている情報源の一つとなっています。

渡航先やその目的によっては、ワクチン接種やマラリアの予防薬が必要になることがあります。ワクチンを接種した場合は、英文でその旨を記したワクチン接種記録を携帯しておくとよいでしょう。

持病で定期的に医療機関に通っている場合は、現在治療している病気、治療経過、服薬中の薬、薬や食物に対するアレルギーの有無などを記載した英文診断書を主治医に作成してもらっておくと、海外で医療機関を受診することになった時に便利です。

近くの医療機関の医師で英文診断書の発行が難しい場合は、日本旅行医学会のサイトなどを参考にして、英文診断書の発行を受けてつけている医療機関を探します。英文診断書は作成に時間がかかるので、渡航前に余裕を持って作成を依頼しておくのがポイントです。

海外で重い病気や事故に遭遇した場合、現地の医療機関に搬送されることになるので、高額な治療費や移送などの費用に備えて海外旅行保険に加入しておくこともおすすめします。

海外旅行の楽しみの一つとして、その地域の食事を堪能することがあげられますが、注意点がいくつかあります。東南アジアでは屋台で食事をするケースもあるかと思いますが、屋台での食事は下痢の原因となるリスクが高いことで知られています。食事の際には十分に過熱されたメニューを選び、水道水を避けて市販のミネラルウォーターで水分摂取するのが安心です。

マラリア、デング熱など、過を媒体とした感染症が流行している亜熱帯の地域に行く場合には、虫除けスプレーは必須アイテムです。地域によっては、草むらに微生物を運ぶマダニや、河川に感染症の原因となる微生物が生息していることもあるため、河川に入るのは避けたほうが無難です。

帰国した際に空港で体調が悪いことを自覚した場合には、検疫所の健康相談窓口を利用しましょう。体調に問題はなくても、海外でイヌやサル、コウモリなどにかまれたり、引っ掛かれたりした人は必ず相談してください。

自宅に戻ってから体調が崩れて、医療機関を受診することになった場合、診察する医師には必ず海外渡航をしてきた旨を伝えましょう。国内では発症例が少ない感染症が疑われた場合、専門機関での検査・治療が必要になるためです。感染症には、症状が出るまでの潜伏期間が長いものが少なくありません。インフルエンザは1~2週間程度ですが、マラリアなどは3週間以上経過してから発症することもあります。A型肝炎などのウイルス性肝炎は、1ヶ月以上の潜伏期間を経てから発症することもあります。